概要

Shippioを支える仲間集めのコツと成長の源泉 #02 【vol.12 佐藤孝徳氏】

ロジ人では物流テック(LogiTech)と分類される業界の著名人、サービスをインタビューしていきます。今回は、株式会社ShippioCo-Founder&CEOであり、国際物流の効率化を推進していらっしゃる佐藤 孝徳さんにお時間をいただきました。#02ではShippioのミッション実現に向けた採用と、事業成長の源泉についてお聞きしていきたいと思います。

プロフィール画像
株式会社Shippio Co-Founder&CEO 佐藤 孝徳氏
新卒で三井物産株式会社に入社。2016年6月、株式会社Shippio(旧サークルイン)を創業。日本初となるデジタルフォワーダーとして国際物流のデジタル化を推進、推進、業界のアップデートを手がけている。

次世代の物流を持続可能に

- Shippioの経営理念は「理想の物流体験を社会に実装する」と伺っています。具体的に、どのような世界観なのか教えて下さい。

荷主により、取り扱う品物も違えば、運送方法も異なります。それぞれの荷主ごとに、リクエストも千差万別です。これまで物流事業者各社は、それぞれのリクエストにカスタマイズしたサービスを提供してきました。カスタマイズされたサービスはもちろん荷主さまに喜ばれますが、それを繰り返すと業務もシステムも個別最適に陥ってしまい、メンテナンスや修正にかかるコストが高くなります。物流事業者はそのコストを荷主に転嫁することができず、利益が圧迫され、サステナブルではない状況が一部にはあります。

日本は島国です。物流が止まると、日本の経済も止まってしまいます。物流業界で働いている皆さまは、物流に対して誇りと使命感が大変強いので、物流を止めることなく回そうとするマインドをお持ちの方が多いと感じます。

その使命感により成り立っている物流を、次世代には、持続可能な形にして渡したい。そうすれば、物流業界自体も活性化しますし、物流業界で働いてみたいと思う若者も増えると思っています。学生さんたちが憧れをもつ産業にしたい。それは、仕組みやソフトウェアで実現できると思っています。私たちの経営理念である「理想の物流体験を社会に実装する」にはその思いが込められています。

インタビューの様子1

優秀な仲間を集める秘訣

- Shippioには、優秀で熱量の高いメンバーが集まっている印象があります。ビジョン実現に向けて、仲間を増やし、巻き込んでいく秘訣を教えてください。

地道にアクションしていくしかないと思っています。ただ、ビジョン実現に向けて周囲を巻き込む力は、起業家には必要な能力の一つだと思っています。

起業家は得意・不得意がはっきりしている人が多いように思います。得意なところは誰よりも力を発揮しつつ、足りない部分は、その能力を特出して持っている人に補って貰いチームとして結果を出すことにコミットしている人も多いのではないでしょうか。

周囲を巻き込むために、「自分にはここが足りないから、あなたのスキルで助けてほしい」とか、「あなたが力を貸してくれたら、会社はこう成長できる」など、なぜあなたが必要なのかを説明しています。相手の素晴らしいスキルや能力に敬意を表し、一緒に仕事がしたい、一緒に成功したいと伝えています。

毎年、採用条件が上がっていく会社は、在籍する社員のスキルも高い印象があります。入ってくる優秀な社員に刺激され、在籍している社員もスキルアップしていくからです。これは、会社の成長につながります。「この会社で働いてみたい」と思ってもらえる会社にすることを意識して、仲間集めをしています。

インタビューの様子2

モチベーションと成長の源泉

- Twitterアカウント物流太郎(@LOGITARO1)から、毎日全力で取り組んでいらっしゃる様子が伝わってきます。そのようなモチベーションを維持する源泉はどこにあるのでしょうか。

人生一度きりです。誰しも、さまざまな経験を積みたいですし、さまざまな景色を見たいと思っています。大企業で働いていたときに見ていた景色と、起業したときに見えていた景色と、いま見ている景色は違います。

もちろん、事業はいつも順調なわけではありません。それも、チャレンジしているからこそ見える景色です。これまでの全ての景色が、いまの自分を形成していて、今日の成長につながっていると信じています。

- 自身を追い込んで成長していくということでしょうか。

追い込むことで成長することもあると思っています。自分自身で限界を設定してしまうと、それ以上の成長もありません。とはいえ、キャパオーバーになってしまうと何も進まなくなってしまうので、簡単に手を伸ばしただけでは届かない適度なストレッチ目標が一番だと思います。

- 仲間や優秀なメンバーが一緒にいることが、モチベーションになっている面もあるのでしょうか。

一緒に働いている仲間がいるから事業を推進できています。事業の成功は大変高い目標です。社員全員が一枚岩となり突き進まなければ、成し得ません。経営者が事業の成功にコミットし、会社の方向性を決めなければ一枚岩は崩れてしまいます。ときに厳しい判断をしながら、達成に向かって推進しています。

ー 本日はありがとうございました!

佐藤さんとロジ人編集部の小早川さん

<取材・編集:ロジ人編集部>

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